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改正電気通信事業法とは?
法律の概要と改正のポイント、企業やWeb担当者がとるべき対応を解説!

電気通信事業法とは、電話やインターネットなどの通信サービスを提供する電気事業者が、事業を営むうえで守るべきルールについての法律です。

2023年6月に行われた改正電気通信事業法の施行で、法律の適用範囲の拡大や新たな義務が設けられ、企業にとって無視できない変更が数多く盛り込まれました。多くの企業やWeb担当者がこの変更にどう対応すれば良いのか、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、改正電気通信事業法の概要から具体的な改正ポイント、そして企業やWeb担当者が取るべき対応策について、わかりやすく解説していきます。法改正の背景や目的を理解し、自社のビジネスが直面する可能性のある課題に対処するための知識を深めましょう。

目次

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改正電気通信事業法とは

改正電気通信事業法とは、その名の通り「電気通信事業」に携わる事業者に対する法律の改正のこと。2022年に可決・成立した改正は2023年6月に執行され、このデジタル時代の進化と共に、電気通信事業法も新たな局面を迎えています。

2022年の改正では、私たちが日々利用するインターネットや通信サービスに関わるルールが大きく変わりました。法改正の狙いは、技術の進歩と市場の変化に対応すること、そして何よりも利用者のプライバシー保護と安全を確保することにあります。ここを読み解くことで、改正法の枠組みとその背後にある改正の意図を理解し、今後のビジネス展開やWebサイト運営に役立てることができるでしょう。

電気通信事業法の改正は、2022年に成立、2023年6月に執行

2022年に改正が成立した電気通信事業法は、2023年6月にも施行されました。この改正は、急速に進化するデジタル社会における通信技術の変化や、個人情報保護の重要性が高まる中での対応策としておこなわれました。

改正法では、通信事業者の義務や利用者の権利が新たに定められ、特にデータの取り扱いやプライバシー保護に関する規制が強化されています。

この法改正により、企業やWeb担当者は、より厳格なデータ管理やセキュリティ対策を求められることになり、各企業で適切な対応が求められています。進化するインターネット環境においては、サービスの透明性を高め、利用者の信頼を確保するための重要なステップといえるでしょう。

電気通信事業法とは

電気通信事業法は、通信サービス提供者のルールを定める法律で、公正な競争の促進と利用者保護を目的としています。

ここでは、プライバシーの保護や、データの安全管理に関する規定も含め、通信技術の進展に合わせてアップデートを繰り返す「電気通信事業法」についてご説明します。

「電気通信事業」の定義

「電気通信事業」とは、有線や無線を問わず、電気通信の送受信サービスを提供する事業のことです。具体的には、一般的に私たちが利用するインターネットサービスプロバイダ(ISP)、携帯電話サービス、固定電話サービスなどがこれに該当します。

電気通信事業者は、音声通信、データ通信、画像通信など、多様な情報の送受信を可能にする技術的な基盤とサービスを提供する役割を担っています。

この定義は、通信技術の進化と共に広がりを見せており、従来の有線通信だけでなく、無線LANサービスや衛星通信を利用したサービスも含まれるように変化してきました。また、電気通信事業は、単に通信手段を提供するだけではなく、通信の安全性や信頼性を確保し、利用者のプライバシー保護にも配慮しなければならないという重要な社会的責任も担っています。

デジタル化が進む現代社会において、電気通信事業の定義はますます範囲を拡大し、その役割は重要視されるようになっているのです。

法令の対象となる事業者

電気通信事業法における法令の対象となる事業者は、広範にわたります。一般的な通信サービスを提供する大手の電話会社やインターネットサービスプロバイダ(ISP)のほか、小規模な通信事業者や、特定の通信サービスを提供する企業も含まれます。

さらに、最近ではクラウドサービスやオンラインストリーミングサービスなど、新たな形態の通信技術を利用したサービス提供者もこの法律の適用範囲内に入るようになりました。法令の対象となる事業者は、通信の送受信を行うためのインフラを所有、または管理している企業に限られるわけではなく、通信サービスを顧客に対して直接提供する事業者も含まれます。

また、エンドユーザーへの直接的なサービス提供だけでなく、他の事業者に対する通信ネットワークの貸し出しや卸売りを行う企業も規制の対象です。このような幅広い対象範囲は、技術の進化に伴い通信サービスの形態が多様化する中で、すべての利用者が安全かつ公正な通信サービスを享受できるようにするために設けられています。

電気通信事業法の改正で変更された3つのポイント

2023年6月に施行された電気通信事業法の改正では、主に以下の3点が変更されました。

  • 届出制の対象拡大
  • 特定利用者情報の取り扱い義務新設
  • 外部送信規律(Cookie規制)の導入

通信事業者に、より厳格なデータ管理とプライバシー保護の強化を求めるもので、安全なデジタル環境の実現を目指しています。それぞれ詳しく解説していきます。

1.届出制の対象が拡大

改正電気通信事業法における大きな変更点の一つが、届出制の対象範囲の拡大です。

以前は、特定の規模以上の事業者や特定のサービスを提供する事業者に限定されていた届出義務が、改正によりより広範な事業者に適用されるようになりました。従来は届け出の必要がなかった小規模なインターネットサービスプロバイダーや、新興の通信サービス提供者も、法的な枠組み内での運営を義務付けられることとなります。

この改正は、通信サービスの利用者にとって透明性と安全性を高めることを目的としています。届出を行うことで、事業者はそのサービスの安全性や信頼性に関して一定の基準を満たしていることを証明し、利用者はより安心してサービスを利用できるようになります。

また、通信事業者間での健全な競争を促進し、業界全体のサービス品質の向上にも寄与すると期待されています。このように届け出制の対象拡大は、デジタル社会の発展を支える重要なステップとして位置づけられています。

2.特定利用者情報の取り扱いに関する義務が新設

改正電気通信事業法では、特定利用者情報の取り扱いに関する新たな義務が設けられました。これは、事業者が利用者の個人情報や通信内容を適切に管理し、保護することを強化するための措置です。

具体的には、利用者の同意なくその情報を第三者に提供することの禁止、利用者データの安全な管理と運用のためのシステムの整備、そしてデータ漏洩や不正アクセスが発生した際の迅速な報告と対応が求められます。

この新規制は、インターネットの普及とデジタルデータの量が飛躍的に増加する中で、個人情報の取り扱いに関するリスクが高まっている現状を受けたものです。利用者情報の不正利用やプライバシー侵害の事案が後を絶たない中、事業者にはより高いレベルのデータ保護対策が求められており、この改正はそのための法的な枠組みを提供しています。

利用者は自身の情報が適切に扱われ、保護されることへの信頼感を持つことができるようになり、事業者と利用者の間の信頼関係の構築にも寄与することが期待されています。

3.外部送信規律(Cookie規制)が新設(電気通信事業法27条の12)

改正電気通信事業法における重要な新設項目の一つが、外部送信規律、通称「Cookie規制」です。Cookie規制とは、Webサイト運営者がユーザーのデバイスにCookieやその他のトラッキング技術を用いて情報を保存・アクセスする際のルールを定めたもので、電気通信事業法の第27条の12に規定されています。

Cookie規制により、Webサイトはユーザーの同意を得ることなく、個人を特定できる情報を外部に送信することが、制限されるようになります。

この導入背景には、インターネット利用者のプライバシー保護とデータの安全な利用を確保するという強い意図があります。近年、パーソナライズ広告や行動ターゲティング広告など、ユーザーのオンライン行動に基づく広告配信が一般的になりましたが、これには大量の個人データの収集と分析が伴います。この過程で、ユーザーの知らないところで個人情報が収集・利用されることは問題視されており、Cookie規制はそのような不適切なデータ利用を防ぐために設けられました。

具体的には、Webサイト運営者がCookieや、Cookieと同等のテクノロジーに関して、ユーザーにその使用目的や送信される情報の内容を明確に伝え、複数のプロセスの中から対策を設けることを求めています。

Cookie規制により、ユーザーのプライバシーが尊重され、安全なインターネット環境が促進されることに期待が高まっています。

電気通信事業法が改正された背景

電気通信事業法の改正背景には、デジタル技術の急速な進展と、それに伴うデータ利用の増加、プライバシー侵害のリスク上昇があります。こういった変化に対応し、利用者保護と安全な通信環境を確保するために、法律が見直されたのです。

ここでは、電気通信事業法が改正された背景についてお伝えします。

データの漏洩やサイバー攻撃のリスク

電気通信事業法が改正された背景のひとつに、データ漏洩やサイバー攻撃のリスクの増大が挙げられます。

現代社会において、企業や組織が取り扱う顧客情報や機密データの量は膨大であり、これらの情報がサイバー犯罪者の標的となるケースが増えています。データ漏洩は、個人のプライバシー侵害だけでなく、企業の信頼性損失や経済的な損害にもつながることも。また、サイバー攻撃は単にデータを盗むだけではなく、システムの破壊や機能の妨害を目的とすることもあり、このケースでは社会インフラへの影響も懸念されているのです。

こういったリスクに対応するため、改正電気通信事業法では、通信事業者に対するセキュリティ対策の強化を求めています。具体的には、データ保護のための技術的・組織的措置の導入、サイバー攻撃の検知・報告体制の構築、被害発生時の迅速な対応計画の策定などが挙げられます。

通信事業者はより高度なセキュリティ対策を講じることが義務付けられており、結果として利用者のデータをより確実に保護し、信頼性の高い通信サービスを提供することが期待できるでしょう。このような規制強化は、デジタル化が進む社会における安全な情報環境の構築に貢献するはずです。

電気通信事業者のサイバーセキュリティ対策

電気通信事業法の改正により、電気通信事業者のサイバーセキュリティ対策は、一層強化されることとなりました。その背景には、事業者が取り扱う大量のデータと、それに付随するサイバー攻撃のリスク増大があります。

事業者には、不正アクセス、データ漏洩、サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)など、多様化するサイバー脅威から利用者の情報を守るために、先進的なセキュリティ技術の導入と継続的なセキュリティ管理体制の確立が求められます。具体的には、ファイアウォールや侵入検知システムの設置、暗号化技術によるデータ保護、定期的なセキュリティ監査の実施などです。

また、従業員向けのセキュリティ教育を定期的に行い、内部からの脅威にも対応できるようにすることも重要です。さらに、万が一のサイバー攻撃発生時に迅速に対応し、被害の拡大を防ぐためのインシデント対応計画の策定と実行も不可欠といえるでしょう。

これらの対策は、単に技術的な問題に止まらず、組織全体でのセキュリティ文化の醸成と、意識の向上が求められるものです。改正電気通信事業法による規制強化は、事業者に対し、より高度なセキュリティ対策の実施を促し、結果として、利用者に安全で信頼性の高い通信サービスを提供することに貢献することを目的としています。

データの取り扱い等についてのガバナンス確保

電気通信事業法の改正は、データの取り扱いとガバナンスの確保においても、重要な進展をもたらしました。

まず電気通信事業者は、収集したデータの管理と使用に関して、厳格なガイドラインに従うよう求められるようになりました。これには、個人情報の保護、データの適正な利用、及び透明性の向上が含まれます。事業者は、利用者から得た情報を適切に分類し、個人を特定できる情報には、とくに高いレベルの保護を施す必要があります。

また、データガバナンスには、利用者の同意に基づくデータの収集、利用目的の明確化、第三者への情報提供の条件設定などが含まれ、これらはすべて透明かつ明確に行われるべきです。事業者は、データの取り扱いに関するポリシーを明確にし、これを公開することで、利用者との信頼関係を構築し、維持する責任があります。

さらに改正法は、データ漏洩や不正アクセスが発生した際の、迅速な報告と対応策の実施を義務付けています。事業者はインシデント発生時の対応計画を事前に策定し、緊急時には迅速に行動を起こす体制を整える必要があるでしょう。このようなガバナンスの強化は、デジタル社会におけるデータの安全性と信頼性を高め、利用者の権利とプライバシーを守る上で不可欠です。

企業がとるべき対応

改正電気通信事業法の外部送信規律(Cookie規制)に対応するため、企業はプライバシーポリシーの透明性を高め、利用者の権利を尊重する複数の措置を講じる必要があります。たとえば、情報の通知・公表、利用者の同意取得、オプトアウトの選択肢の提供などです。

データ保護の強化と利用者の信頼を確保するため、企業がとるべき対応について説明します。

通知あるいは公表

企業は、収集する個人情報の種類、利用目的、第三者への提供情報などを明確にするために、通知や公表の義務を遵守しなければなりません。

プライバシーポリシーを通じてこれらの情報を利用者に提供し、もしポリシーの変更があった場合は、迅速に更新情報を公開することが求められます。このように透明性を確保することで、利用者の理解と信頼を得ることができ、企業と利用者間の健全な関係構築に貢献します。

利用者からの同意取得

改正法は、とくに個人情報の収集と利用に際して、利用者からの明示的な同意を得ることを重視しています。

企業は、個人情報を収集する前に、その目的と利用方法を明確に説明し、ユーザーからの同意を文書または電子的な形式で確実に取得する必要があります。このプロセスを通じて、利用者は自分のデータがどのように扱われるかを理解し、同意するかどうかを自由に選択できるのです。

オプトアウト措置

企業は、利用者が個人情報の利用や、第三者への提供からオプトアウトできる選択肢を明確に提供しなければなりません。

これは、利用者がいつでも自身の情報に関する決定を見直し、必要に応じて同意を撤回できるようにするためです。オプトアウトプロセスを簡単でアクセスしやすいものにすることで、利用者の自律性とプライバシーの尊重が実現されます。

改正電気通信事業法の注意点

改正電気通信事業法には、企業やWeb担当者がとくに注意すべきいくつかの点があります。

まず、届出制の対象範囲が拡大されたことで、従来は対象外であった小規模事業者も含め、幅広い事業者がこの法律の適用を受けることになりました。これにより、これまで法的義務がなかった企業も、新たに法的要件を満たす必要があることをおさえておきましょう。

また、特定利用者情報の取り扱いに関する新たな義務の設定は、企業が顧客データを扱う際のプロセスに、大きく変更を要求します。顧客からの明示的な同意の取得、データ保護のためのセキュリティ対策の強化、そしてデータ漏洩が発生した際の迅速な報告と対応は、必須項目です。

さらに、外部送信規律(Cookie規制)の導入により、Webサイト運営者はユーザーの同意なしにCookieを使用して個人データを収集・利用することが制限されます。このため企業は、同意取得のプロセスを見直し、ユーザーに対して透明性のある情報提供をおこなう必要があるでしょう。

これらの変更に適切に対応するためには、企業内での法律の理解を深めるとともに、必要なセキュリティ対策やプライバシーポリシーの見直しを、迅速におこなうことが重要です。改正法に準拠することで、企業は顧客の信頼を維持し、リスクを最小限に抑えることができます。

まとめ:プライバシー保護規制の強化を踏まえ、法令を遵守して健全なサービス運営を

改正電気通信事業法について解説しました。

プライバシー保護規制の強化は、改正電気通信事業法の核心をなすものであり、企業やWeb担当者はこの新しい法的環境下で、健全なサービス運営を心掛ける必要があります。この法改正は、個人情報の取り扱いに関する基準を引き上げ、企業により厳格なデータ保護とセキュリティ対策の実施を求めています。法令を遵守することは、単に罰則を避けるためだけではなく、顧客の信頼を獲得し、維持するためにも不可欠です。

法改正に対応するために、企業内での意識改革は、避けては通れない道といえます。データ保護は、企業文化の一部として位置付けられ、従業員全員がプライバシー保護の重要性を理解し、実践することが求められます。また、顧客からの同意取得プロセスの見直し、プライバシーポリシーの透明性の向上、セキュリティ対策の強化など、具体的な対策を講じることも重要です。

最終的に、改正電気通信事業法は、デジタル時代におけるプライバシー保護とデータセキュリティの新たな基準を設定しています。企業はこの法改正を機に、自身のサービスとデータ取り扱いのプロセスを見直し、より安全で信頼性の高いサービス提供を目指すべきです。こうした取り組みは、利用者との信頼関係を強化し、持続可能なビジネス成長に寄与することでしょう。

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